【アメリカ】スーパーへ行こうと思ったらパトカーに乗せられた話【ノリと勢い】

旅は言うなれば、A地点からB地点への移動の連続。飛行機、船、電車、バス、車、タクシー、自転車、ボート、トゥクトゥクに人力車…。国から国へ、都市から都市へ。慣れない言語を駆使しながら、目的達成のためならと、さまざまな動く物体に自分の身体を放り込んでいきます。時には思ってもいないライドをすることも。そう、こんなふうに!

アジア食材を求めて

アメリカ、カリフォルニア州・サンノゼ。ITエンジニアたちの最高峰・シリコンバレーの中心地で、私は友人の家に滞在していました。友人が会社に行っている間、少しでも彼のお役に立とうと日中は家事をする日々。せっかくだから日本食を作ってあげよう。近所のスーパーでは限られた日本食材しか手に入らないため、アジア食材店へ足を伸ばそうと思い立ちました。

どうやって移動すれば?

しかしここで問題が。移動手段がない!車社会のアメリカ、自転車も車もない私の選択肢は、バスかタクシーかライドシェアアプリか…重い荷物を背負って帰宅して…?は〜短期旅行者には不便極まりない国だZE…

カフェの表で談笑している3人

まあいいや、コーヒーでも飲もう(楽観)。一番近所のスターバックスへ歩いていくと、店の表にはまるで絵に描いたようにドーナツを頬張り、コーヒー片手にHAHAHA!と談笑している3人のアメリカンポリスメンが。何この映画みたいな風景。警察官さんたちなら色々知ってるに違いない。ここは情報収集だ!リアルRPG・in California。

「ハロー!ちょっと聞いていいですか。」
「どうしましたかジャパニーズガール。アジア系スーパーを探してるって?この辺はベトナム人や韓国人が多いから、スーパーが集中している場所があるYO。ここから車で10分程度、ああいってこういって…」

やっぱり車か…。

「私はこの辺に詳しくなくて、車がなくて、どうのこうの」
「Oh、君は知り合いの家に滞在してるんだね。旅行で来てるの?」
「はい、バーニングマンっていうイベントの後で、この後も旅を続ける予定で云々」
「Oh my god! Youあのクレイジーイベント行ったのか!俺たちも話は聞いたことがあるぜThat’s great!」

You、パトカー乗っちゃいなYO

ただの立ち話から一気に3人のテンションは爆上がり。

「よし、僕が適当なアジアンスーパーまで送ってあげるから、このパトカーに乗りなさい。」

まさかのパトカー送迎!というかこれヒッチハイクじゃね!? 何この西海岸のカジュアルさ?まあいいか警察官なら安心だよね!?(楽観)というわけで、急展開に緊張しつつもお言葉に甘えることに。

車内での小話

ポリスマンとふたり、お互いの身の上を話し始めます。警察官になって10年だということ、出身は東海岸だけどカリフォルニアが一番いいこと、私は東京出身でこれまで1年以上旅を続けていること、南米ではこんな出来事があって…

「Youはなかなか勇敢な女性だな。怖い目には遭わなかったかい?」
「少し怪我した程度ですけど、大丈夫でした。」
「そうか、それはよかった。」

彼は真剣な表情で続けた

彼はしっかりとこちらを見つめて、こう続けました。

「いいかい、知らない人と接する時は、相手の素性がわからないうちは、自分のことは話してはいけないよ。一体どんな人間なのか分かりはしないんだ。いい人もいるけど、そうでない時もある。」

3億人超の人口を抱えるアメリカ。恐ろしいほどの犯罪が横行するこの国の現実を目の当たりにする警察官の言葉は、寒気がしながらも気が引き締まるような思いでした。

「君は旅をしながらの経験でいろいろ上手になってきていると思うけど、フレンドリーさが仇になることもあるかもしれない。さあついた、これからも気をつけて。いい旅をするんだよ。HAHAHA!」

とても重要な助言を残し、しかし何事もなかったかのように、ポリスマンは業務へと戻っていったのでありました。

気をつけるのは治安だけじゃない

人は話します。名前国籍出身地、身長体重年齢、仕事に家族構成、未婚か既婚かなど。私が何十ヵ国訪問したなんていう言葉の端々から、相手はいろいろ推測してきます。人生は「いろんな人がいる」というのを知り続けるのと同意義。仲良くなるには自分から進んで心を開くのが一番、しかし世の中いい人だけとは言えないところが怖いところ(本当)。

素敵なライドをありがとう

無事買い物を済ませ、友人宅に帰ってこの一連のストーリーを話すと「ミオ、ポリスカーをヒッチハイクしたのかよ!? どんなスキルだよ!」と私の運の良さに大笑いしたのでした(でもこれは私が女だからですね、きっと)。このカジュアルな出来事と、とてもシリアスな助言のコントラストが強く記憶に残っています。

教訓:知らない人と話す時は、まず相手を知ってから!困った時はポリスメン!

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読めば必ず元気になる!4年半の世界旅行、バーニングマン、がん(肉腫)、義足と障害…稀有な人生を通して見る「このすばらしい世界」には人生で最高に役に立つヒントと勇気と笑いがいっぱい。あなたの「こころの夏至」までお連れします!