【またかよインド】17歳の女の子にフェイスブックを悪用されてその知恵に驚愕した話

標高3,500mの秘境・小チベットと言われるインド北部、ラダック。ヒマラヤ山脈とカラコルム山脈に囲まれ、照りつける太陽と涼やかな風が交差する夏のラダックは、菜の花が咲き乱れる、もうそれはそれは夢に出てくるような美しい場所です(行ったことのない方、いや全人類におすすめの場所!)↓↓↓

 
 
 
 
 
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レンタルスクーターで、延々と続く山々と大河の中を疾走しながら、ゴンパ(チベット仏教の寺院)をめぐる旅。何をするわけでもなく荒涼とした大地を感じるだけで、ここが現世の天国かと見紛うほどの絶景。ああ、来てよかった…

 
 
 
 
 
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旅行中のインド人家族

ゴンパ巡りを堪能し、宿に戻ってゆっくりしていると、インド人中年がニコニコこちらを見ています(ここでもう何かが始まる予感)。軽い挨拶と自己紹介を交わすと「さ、こちらへ来なさい」と彼の部屋へ通してくれました。

 

彼の名はクレシ(仮名)。出身はジャンムー・カシミール地方の首都シュリーナガル。車で10時間かけ、奥さんと3人の娘たちとともにラダックに旅行に来ているそう。眠たそうな娘たちをわざわざ起こし一人一人挨拶をさせ、お腹を下していた私にヨーグルトときゅうり(なぜ?)をくれ、「せっかくここまで来たんだから、シュリーナガルに来たら私に連絡しなさい」とメールアドレスを渡されました。

予定を変更、シュリーナガルへ

ここで出会ったのも何かの縁、ちょっと予定を変更しシュリーナガルへよる事にしました。10時間バスに乗り、その日の宿を取るためネットカフェへ。そのままクレシさんにメールを送ると1分もたたずに返信が。「今どこにいるんだ?」「〇〇近くのネットカフェです」「今から行くからそこにいなさい。」そして本当に10分足らずで現れました(この素早さは一体?)。

彼はチョージョ・ジジョ・サンジョ(全員仮名)の3人の娘を後部座席に乗せ、よく来たね、よければうちに泊まりなさい!と強制連行。静かに座っている娘たち。急展開に何を話していいのかわからない私。しかし数週間後にはモロッコへの飛行機をとっていたので、その間の数日間をそのご好意に甘える事にしました。

精一杯のOMOTENASHI

ラマダンの時期だというのに、私だけ日中にご飯を用意してくれ、このモスクは素晴らしいから!と車で案内してくれ(後部座席にはやはり娘たち)、お母さんは高級な香辛料であるサフランを友情の印に!とくれたり…どこの馬の骨ともわからないこの日本人にどうしてこんなに優しくしてくれるのか。インド版・世界ウルルン滞在記。あっという間に親睦を深めていきました。

思春期まっさかり、3人の娘たち

当時18歳、17歳、13歳の娘たちと私は、空いた時間で恋バナ(死語)やイスラムライフ、日本での生活、将来の夢を語り合い、指を鼻に突っ込み自撮りをしたりでキャッキャウフフ!気分は女学生に逆戻り。親の束縛が厳しく人生でまだ2度しか1人で出歩いたことがないこと、意中の男の子はサッカーが好きだからサッカーボールをプレゼントしたいこと、たとえ親族であっても男性と二人並んで歩けば非難されるイスラム文化に嫌気がさしていること…お互いたくさんの思いを話し合いました。弾けるような若さ全開、すっかり離れるのが惜しいほど仲良くなったのでした。

「ねえ、私の分は?」

ある日、チョウジョ(すっかり私の世話役になっていた)と一緒に適当に街をぶらついて帰宅した時のこと。
家で待っていたジジョは、せっせと髪をとかしながら私にこう言いました。

「ミオのお母さんにいいプレゼント買えた?ねえ、私の分は?」

???
返す言葉に戸惑いながら「あ、ごめんね。次は3人に何か買ってくるね。」と言ったところでちょっと何か嫌な予感はしました(こういう勘はたいてい当たる)。

ケータイを借りたら…

ファッションや恋愛に夢中のジジョは、暇さえあればずっとケータイをいじっている典型的女子高生。着替えと貴重品以外なにも持っていなかった私は、メールやフェイスブックの確認のためにジジョちゃんのガラケーを少し借りてもいい?と頼むと、快く貸してくれました。親へのメール、チケットの確認、大事な用事を済ませることができて大感謝。本当にありがとう!操作がよくわからないからログアウトしておいてねと頼んで返したのがトラブルの始まり。

感動のお別れのあとに事件は起きた

3泊4日、思い出いっぱい涙涙のシュリーナガルを後にし、デリーのネットカフェでメールチェックをしていると、直前まで4ヶ月半一緒に東南アジアを旅していたフランス人のアドくんからのメールを発見。

「誰かが君のフェイスブックをハッキングして、僕をブロックしてる。今すぐチェックして。」

?!?!?!
すぐにアドくんのブロックを解除し、もう大丈夫と伝えると、彼は私になりすました謎人物からのメッセージの全文を送ってくれました。その内容がこれ(実際は英文)↓。

謎人物:「ハーイ久しぶり、ミオよ。今、インドの親切なご家庭に滞在してるの。とってもよくしてくれたから、そのお礼にiPhoneを3つ送ってくれるかしら?

ええええ!! iPhoneを!! 3つ要求してる!!
もうこのやり取りで犯人は確定。あいつしかいねえ!(←もうこの呼び方)

アドくん:「僕、そんなお金持ちじゃないからそれはできないよ。どうしたの?ミオ酔っ払ってるの?」
謎人物:「あはは、ごめんね。わたし酔っ払ってて変なこと言っちゃったみたい」
アドくん:「インドで?お酒を飲んで?…朝の8時に?」

ここで謎人物は即座にアドくんをブロック。…という一連の顛末に、怒りと寒気と恐怖を覚え、念のためにパスワードを変更。そしてあんなに仲良く過ごした10代の少女が、私のフェイスブックのメッセージをたどって、一番仲がいいであろう人物を割り出した挙句、こんな悪知恵を働かせることができる事の衝撃。一体どんな倫理観してるんだYO!

あの友情はいったい…

実被害がなかったので、この件は過ぎたこととし、アドくんの助言通り「さ、元気に旅を続けるか。」という気持ちで翌日から歩き出した私。何年も経過した今でもクレシとチョウジョちゃんとは連絡を取り合える仲ですが、なんともビタースイートな思い出になってしまった…。ケータイを借りた私が悪く、女の子といえど人を信じる難しさをまざまざと学んだのでした。それにしても手強い…手強すぎるよインド人!日本人などひとたまりもありません(確信)。

「考えさせる国」それがインド

でも私がインド人で、恵まれた日本人が突然目の前に現れたら同じことするのかな…?いやしねーよ!の以下無限ループ。毎日が胸の震える出会いと別れの繰り返し、これこそが旅の醍醐味です。でもその裏にはこんなクレイジーハプニングも盛りだくさん。そのケタ違いを与えてくれるのがインドという国。自分を守るため壁を高くし、でも時にはその優しさにも乗ってみる。だんだんとそのさじ加減が心地よくなっていくのもまた一興。

でもみんな、ログインしたら、ログアウトしよう!(知ってる!自戒の念!)

次の記事>>【アメリカ】スーパーへ行こうと思ったらパトカーに乗せられた話【ノリと勢い】

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