オーストラリアには、バックパッカーズやキャラバンパークという安宿が大量にあり、その当時まだ使っていたmixi(!)やフェイスブックを駆使して、テイよくチルダーズという人口たった1,500人というド田舎にある、様々な国籍100人以上、小汚くも楽しいキャラバンパークの空室を見つけることができました。
ファームライフは太陽とともに
みなファームジョブを目的に集まってきており、私に回ってきた農場は柑橘類を栽培する大農園。
日の出とともに送迎バスに乗り込み、地平線の果てまで続くレモン・みかん、オレンジ、グレープフルーツを、一人一列あてがわれ、朝の7時から夕方5時までひたすら収穫しつづけます。
↑カンガルーバッグ(でかい袋が前面についたエプロン)を装着し、実りのいいポイントまで脚立を移動させ、果実を切っては胸元のポケットにためて、脇に置いてある風呂おけ大のビン(木箱)に移し替え、すりきり一杯収穫出来たら80~100ドルというコントラクト(歩合給)です。
日に焼け、虫に刺され、木の上に垂れ下がる大蛇をかわしながら(本当・腰抜かす)の労働はこれぞオーストラリア。レモンの木の凶悪な棘など意味もなく“Meanwhile in Australia”(※有名なインターネットミーム)は本当だなと思わされる野生生物のオンパレード。
運がいいと、時給のシェッド(倉庫)作業に選ばれて、比較的涼しい場所で箱詰めのライン作業なんかをすることも。オーストラリアは最低時給がよく(当時16ドル。2019年現在23ドル。みんな行け!)体力に自信がない女の子にはうれしい限りでした。
若いから。意味はない
休憩時間には各々持ってきたサンドイッチなどをほおばりながら、「国別あるある」を話して笑ったりなどが毎日の風景でした。
ある日、ネパール人、韓国人、日本人、台湾人、フランス人(すべて女子)の5人で、椅子に座って雑談していると、ドイツ人女子が輪の中に入ってきました。
椅子は5脚。もう一脚持ってこようと立ち上がろうとした皆を静止して、一番若い韓国人の子が「私がやります!」といわんばかりのものすごい速さで椅子を見つけてきました。
その様子を見ていたアジア人勢「(ウンウン・納得の表情)」
ドイツ人「・・・・・」
周りにいたカナダ人たち「・・・・・」
「とにかく一番若いやつが動く」。このアジア人共通認識に欧米勢はついてこれない様子。
「年上じゃないの。まず若い人がやるの!理由はない!」そういって笑う台湾人女子。
名前の次にいう言葉
男女か、年上か年下かで相手の呼び方が違う韓国では、とてもその意識に敏感らしく、
「初めまして○○です。」と自己紹介した次にはほぼ「年齢の確認」をするんだそうです。
ドイツ人「名前の次に『で、何歳?』って聞くの?・・・それってすごく失礼じゃない?」
確かになんだか嫌な奴な気がします。
確かに欧米人たちの自己紹介のひとこと目は「自分の名前」、次に「出身地」もしくは「職業」だということに気が付きます。どこから来たか、なにをしているか。自分自身を端的に述べるには、さほど年齢は重要じゃないわけです。
しかしアジアではとても重要視される。年上を敬い、敬語を使い、一番の若年者が一番働く。
ハッ!これが美徳ってやつだ。
謙虚でいること、我慢強くあること、勤勉であることなど、日本人の美徳はほかにもありますね。
欧米人たちと話していると、自立していること、自信を持っていること、自己肯定感を持つことあたりがとても重要だと感じさせます。
そうか、文化の違いは「美徳」の違い。これが文化を作るんだ。
おなじ人間であるのに、生まれた場所でなぜこうも違うのかというのは、
人生において「なにを美しいと思うか」なんだ。それが文化の違いなんだと解釈出来たら、他人を、他国を、他文化を尊重し見ることができます。
旅は気づかせてくれます。これぞ旅をする醍醐味であり収穫です。
いいですよ、旅!ハッ!
>>次の記事→「おおきなもの」ほどシェアしようよ、というお話
コメントを残す