【滅びろ】デリカシーのないおっさんと話したら「本当の障害」が姿を現した話

最近お気に入りの、近所の居酒屋で一人飲んでいたときのこと。
L字型のカウンターのはす向かいの席には、いかにも団塊世代代表といった風貌のおじさまと、若い女性が2人。おじさまの話の内容から彼の家は近く、奥さんに怒られつつも飲み歩くのが唯一の楽しみなんだそう。

大声のおじさま

彼は片手をグーパーさせながら「最近脳卒中をやっちゃってさ。でも麻痺とか残らなくてよかったよォ」と嬉しそう。それは大変でしたね、よかったよかったとねぎらう店主。

するとおじさんは突然こちらを向いて「君は若いし健康そうだしな、何にも心配いらんだろぉ」と言うので、私はいつものがんから義足へなったスーパーコンボ体験をかいつまんで話しました。

耳を疑うひとこと

もちろんおじさんは大ショック(ごめんなさい)。彼は顔をこわばらせながらも「そ、そ、そうかぁ、それは大変だ…大変だなぁ、でも頑張ってるなスゴイスゴイ…」と必死にフォローしつつもめちゃくちゃ大きな声で(←ここポイント)、

「そっか、大変だなぁ。だってもう恋愛とか、結婚とか、出産とか難しいじゃない?ねえ?ああ、大変だ大変だ…」

!!!!

まじこんな↑顔してた私。
「でも皆さん優しくて、よくしてくれるので本当に嬉しいです。毎日楽しく暮らしてますよ」と切り返すものの、

「いやー僕たちの世代だとどうしてもそう思っちゃうのよ。女の子がさあ、体の一部がないなんて、恋愛結婚出産、本当に難しいじゃない?ねえ?ああ、大変だ大変だ…」

このおっさん(←もうこの呼び方)また同じこと言った!2回も!!

酒が進みます(別の意味で)

落ち着け、落ち着くんだ。こういうやつはたまにいる。

1)この人は酔っている。
2)この人の世代ではこの考え方が普通だった。もちろん若い世代だってこう言う考えの人はたくさんいる。
3)なんにも考えちゃいない。(←多分これ)

↑そう自分に言い聞かせながら、心の中では知っている限りの罵詈雑言で溢れかえっていました。

しかし実際には、

当時(当時ね)、私は恋愛がなかなかうまくいっており、あんなことやこんなことキャッキャウフフと毎日たのしく暮らしておりました。だから、そんなに傷つきもしなかったのです。しかし私が何をしたいかしたくないか、できるかできないか、「実際の私の現状」など聞くこともせずこのジジイ(←さらに降格)は憐れむばかり。

そして0.0001秒で、私は思いました。↓↓↓

この人家に帰ってから、同じこと家族に言うんだろうな。
『今日、義足の女の子と会ってさァ。彼女は恋愛結婚出産、難しいよなァ。ああ、大変だ大変だ…

さらに0.0001秒で、私は思いました。↓↓↓

「この人、自分の可愛い娘にも同じこと言うんだろうか?」

社会に「終わらされていく」

こういう人の発言によって、周りの人たちの頭に強く刻まれていき、そしてこれが繰り返されていく以下無限ループ。は〜んなるほどなるほど。お前には無理だのできないだのと言われて、スタート地点にも立たせてもらえないような経験。社会に「終わらされて」いくような気持ち…

その時0.0001秒。
あっ!わかったぞ!やっぱりそうだ!

「本当の障害」が姿を現した

その時わかったのです。障害の存在している「場所」は、足などではなく「頭の中」だと言うことが。本当の敵は障害そのものなどではなく「偏見」だと、再び確信したのでありました。

でも振り返ってみて、ここまで強く印象に残ったということは、やはり私自身も気にしてはいるのです。
私の両親も団塊世代です。
あなたの考えていることはすべて、私も考え尽くしていますよ。

おごってもらったラッキー

なんだかんだ話していたらそのおっさん、「お前面白いな隣に座れ!おごってやるから!」というので、これ幸いと遠慮なく頼ませていただきましたよ。上機嫌でお帰りいただけたようでよかったワ。

一息ついていると、店主が静かに言いました。

「じつは、ぼくも片耳が聞こえないんです。」

気を使わせちゃったわ!私も言葉に気をつけなきゃネ!(てへぺろ)

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