日本人の2人に1人はかかるとされる「がん」。いまだに「死」を連想させ恐れられている代表的な病気です。年齢性別関係なく、身体のほぼどこにでも発生し、きつい抗がん剤や放射線治療をイメージする人も多いでしょう。
しかし闘病中といえど本人は割と元気だったりする中、周りはどう声をかけていいものやら…
そんな気持ちは万国共通。義手・義足のひとが言われる7つのこと(動画)にひきつづき、イギリスBBC Threeによる国を超えてのあるあるをご紹介!
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Things Not To Say To Someone With Cancer(動画)
私の知り合いもがんになった人いるわ
「ある人が僕のところに来て言ったんだ。『私の叔父ががんになったことがあるよ』ってね。ちょっとした沈黙が流れた後、続けて『ああ、彼は死んじゃったけど』って」
「知り合いががんになった経緯と、どうやって克服したかと、その後どれだけ元気だったかを、全部しっかり語ってくれたのはいいけど、『それで今はその人どうしてるの?」って聞いたら『2年前に亡くなったわ』っていう返事…。」
同じ境遇の知り合いの話を持ち出して、一生懸命共感を示してくれるその姿勢はとてもありがたいのです。参考になるようなヒントだって欲しいです。しかし最後にその報告はいらないです。笑。
あと余命はどのくらいなの?
「たとえ同じ年齢、同じような健康状態、同じがんのステージのふたりがいたとしても、がん治療に対する反応は全く異なるのよね。」
「ほとんどの人は『がんである…それはあなたが死ぬってこと?』と思うらしいわね。たいていの場合そんなことなくて、ありがたいことに私たちが受けられる治療が全て行われているわ。」
よくよく聞いたらこの言葉、一体なんなんでしょう?笑。いつ死ぬか、何日残されているかだなんて誰にもわかりっこありません。医者が予想する「余命宣告」のようなものだってアテになるとは言えず、しかし数字だけが一人歩きしてしまうのが困ったところ。
常に前向きでいて!
「常に前向きでなんかいられない、落ち込む日々もあるってことをみんなに知ってほしいわね。」
「たくさんの人に言われたわ。『あなたは子供を授かる能力は失ったけど、他にもたくさん方法はあるわ。代理出産とか、養子縁組とか…』そうね。だけどそれは私の望んだことじゃなかったわよ。」
そりゃそうです。五体満足、健康そのものの人だって気持ちが下がるときぐらいあります。治療方法や容体が変化していくのに、ひたすらにポジティブだったらおかしいでしょう笑。
明るい方向を見てもらおうと、未来の可能性をあれこれとアドバイスしてくれても、耳に入らないとき、ちょっとほっといて欲しいとき。後ろ向いたっていいじゃないですか。
なんて勇敢なのかしら!
「別に勇敢なんかじゃないわ。生きるか死ぬかなら、生きるわよ笑。私の人生に降りかかってきたものに対して、対処しているだけなんだけどね。」
「『彼はがんによって手足を失ったけれど、今では3日間で500マイルを走り抜いて、集まった1,000万ポンドをチャリティーに寄付したんだ。だから君だってできるさ!』と、素晴らしい誰かの写真を見せられても…ちょっとやる気は起きないかな。」
これ、一番言われた言葉かもしれません。自分が勇敢かどうかなんて当の本人はどうでもよく(マジ)、感じたことさえありません。君もできるさ!だの、場がシラケるだの、当事者の気持ちや意見など置いてけぼりというありさま。なんだこれ笑。
あなたを招待するつもりだった、けど…
「誕生日パーティーや結婚式、けっこうな回数のイベントを逃したわ。というのも、その主催者の人たちの方が『彼女は体調が悪すぎて出席できないに違いない』って思ってたからよ。」
「僕がパーティーに来ていないことに気がついた人が、主催者に質問したんだ。そしたら『彼は招待しなかったよ。場の空気が盛り下がると思って』だってさ。」
「『がん患者の友達が欲しい』だなんていう人さえいるわ。変な人たち…」
気遣いすぎにも程がある!やりすぎです笑。
じゃあ今はすっかり元気になったんだね?
「その後何年も経過観察をしなければならない上に、いまだに考えすぎることがある。小さなしこりなんか発見したら、もうそれはまるで…『ああまたか』って思うよ。」
「もう来ることはないだろうと言われていた生理が来た時には『私、女性!やったわ!』状態。まさかこんなことが幸せと思うとは想像もしなかったけどね。」
治療が終わってからも、長い経過観察が待っており、再発しないことを祈りながら過ごす日常生活はあまり気分の良いものではありません。ひとまず大丈夫!と思っていても気持ちは乱高下、ちょっとした身体の変化にも一喜一憂…。「再発の恐怖」これこそががんの正体なのではと個人的に思っています。
何か言いたいことある?
「勇敢だ、前向きだと励ますしてもいい。良い反応を返せることもある。ただ適切なタイミングを選ぶってことだよね。」
「何も言わないのもいいことだよ。ただ誰かと一緒にテレビを見るだけということも、なかなかクールだと思う。」
「ものすごい量の応援と愛を受け取って、圧倒されいく中でハッと目が覚めるような感覚になったわ。私は誰かの娘であり、孫であり、私はただやることをやらなければいけないと。」
一言では言い尽くし難いほどの経験です。今まで話したこと全部まとめても足りないくらいであり、励ます方も当事者も、沈黙が悪かのように言葉を並べ立ててしまいがち。お笑い番組を見ながらせんべい食って茶を飲んで…みたいな平凡なことが愛おしかったりするんですね。最後の女性の↑この言葉、がん患者の全てを物語っています。究極的な経験と喜怒哀楽を超越してたどり着く境地です!
大病をしている人へ言葉選び。その参考に!
がんからカムバックした人たちは当時を振り返り、こんな気持ちでいるんですね。これから周りの誰かががんを経験することになったとしてら、この記事を読み返してくださいね!でも何を言っても言われても、愛情ゆえのことですから大丈夫。
他にもイギリスBBC Threeでは特徴的な方々が言われるシリーズがたくさんアップされていますのでチェックしてみてください。なかなか興味深いです。
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